Здравствуйте!(ズドラストビィーチェ=こんにちは!)
ちょっと一息。 トロント本部やシアトルで長くトレーニングをされていたインストラクターの藏岡さんが、金沢で活動を開始され、ブログも発信されています。このシステマ金沢のブログ、重要なことがすっきり読める長さ書かれており、とても参考になります。 まだご覧になられていない方は、ぜひ一度、ご覧になられてはいかがでしょうか。 ◆システマ金沢 ブログはこちら⇒https://ameblo.jp/harimau-kanazawa/ さて、藏岡さんの記事の中で、「Against a Blade 和訳前編」「Against a Blade 和訳後編」という記事がありました。 この記事は、トロント本部チーフインストラクターのヴラディミア・ヴァシリエフが、雑誌のインタビューに答えた内容で、その和訳を藏岡さんがしてくださったものです。 テーマは、「AGAINST A BLADE ARE YOU SURE YOU CAN RUN AWAY(刃物に対して、あなたは本当に走って逃げられると思いますか)」。 日本で連日起こる予期せぬ交通事故もさることながら、刃物による無差別殺人事件が起こったばかりでしたので、ブラッドがどのような回答をしたのか、とても興味深く読みました。 詳細はシステマ金沢のブログをご覧いただければと思いますが、記事の中に、システマのキャンプで行う、「走って逃げる」トレーニングのことに触れられていました。 これ、実際にトロントのキャンプで体験しました(写真1番手前の白ジャージが私、隣は池岡)。グループにブラッドが来てやってくださったのですが、まったく反応できていません…! ![]() ![]() ![]() 写真は、トロント本部のfacebookで公開されているものを掲載させていただきました この時、恐怖感はハンパなかったんです。 ブラッドの広い歩幅、勢い、何よりオーラ。 人生であんなに「怖い」「心底逃げたい」と思ったことは、今でもないくらい。 が、なんと写真でみると、まったく逃げられていません(爆) ブラッドが笑っているようにみえますが、なんで誰も逃げないの?というところでしょうか。 走りを停めてくれているようにさえ見えます。この距離でこれでは全滅間違いなし。 記憶ではたちまち散り散りに逃げた気がしていたのですが、実際はてんでダメでしたね。 このキャンプの時、何種類かやったのですが、このワークは確か2通りやりました。 ◆1人がスティックないしはナイフを持ち、残る5~6名は、数メートル距離をとって横1列に並んで立ちます。 ①横並びの数名のうち、1人だけが武器を持っている人の方を向き、残る人達は背を向けた状態で立ちます。 その武器を持っている人が見えている1人の合図で皆が逃げる、というワーク。 ②もう1つは、「ナイフを持った人が叫びながら突進してくる」のに対し、とにかく逃げる、というものです。 ※武器を持っている人は、「数名のうち1人に狙いを定めておく」というルールがあったように思います。 この写真の前に、交代して何度も繰り返していたので、気分は相当ハイになっていました。 が、判断役の反応が遅かったのか、ブラッドの移動速度が異常に早かったのか、横並びの列に鬼気迫っています。 ブラッドが目に視界に入った時には、もう何もかもが恐ろしく、例えば自分が自転車や車を運転していて危うくぶつかりそうになった時の「ヒヤリ」とはまったく別物の、生きた「死の恐怖」が迫っている感覚をまざまざと味わいました。 怖すぎて、叫んで逃げながら笑いが止まらなかったことを覚えています。 「どこまでも逃げたい」と思いました。 判断役がとかいっていないで、気配感じて逃げなよ、と思われるかもしれませんが、野外だったせいか、浮足立っていたせいか、まったく気が付かなかったんですよね。 帰国後、日本でシェアの機会をいただき、いくつかワークをした後にやってみました。 トレーニングは室内。 私が暴漢?役で、スティックを使って、「わあぁーーーー!」と叫びながら迫ったのですが、 その日が初体験という方もいらっしゃって、きょとんとして最後まで1、2歩しか動かない方もいました。 自分が大声を出しすぎたせいもあって、(この人頭おかしいんじゃ…)と思われたかも、と一瞬よぎりながら、持っていたスティックで逃げないでいる人達を突くべきか逡巡し、止めてしまったことを思い出します。 ケガのない範囲で「逃げないとこうなる」を伝えなければと思う反面、 (これはトレーニングだし、自分は大丈夫だろう)と思ってこっちを凝視しているのでは…とも思いました。確かに標的は1人に絞って狙いを定めるので、向かっていく先は1人ですが、標的の真隣、ないしは数歩近くにいるということは、自分に向かってくるようにも見えますし、私が小柄とはいえ、振り回せば刃物やスティックが届く範囲内なので、非常に危険です。 これは、攻める側をやってみればよくわかります。 子どもの頃、学校の避難訓練の時、先生にどんなに「真剣にやりなさい」といわれても、実際に火事は起きてないし、ちょっと恥ずかしくマジメになりきれなかった感覚を思い出しました。 登戸の事件では、犯人が声もなく斬りかかったため、気づくことができなかった、という証言もニュースで流れていました。 せめて奇声でもあげていれば反応もできたのに、と。 「逃げる」訓練なんてなかなか…と思いがちですが、子どもの頃は「鬼ごっこ」とか、結構リアルにやっていました。 最近の子はやらないのかなあ。 命が助かる「逃げ方」のトレーニング、システマにはヒントが溢れていそうです。 ブラッドのインタビューをもう一度読んで、考えてみたいと思います。 ↑日頃のトレーニングを配信中! #システマ #福山市 #護身術 #ロシア武術 #Systema #Система _ |
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Здравствуйте!(ズドラストビィーチェ=こんにちは!)
ちょっと一息。 密室、というとどんなイメージでしょうか。 映画やドラマ、小説では、「施錠等がなされて外から誰も出入りできないようになっている空間」を指しているイメージがあります。 家屋だけでなく、深い谷を挟んだ断崖絶壁の古城、クルーズ船の上、特急列車の中、飛行機の中、バス、エレベーター内など規模も実に様々です。いろいろな事件、天災が起きる昨今ですが、現実に自分が「密室」にいて「危険が迫る状況」を想像することはなかなかないようにも思います。 先日、東海道新幹線内で痛ましい殺傷事件が起きました。 定期的に新幹線を使っている身として、1年前に焼身自殺事件が起きた時点で、「ああ、起きてしまった」と頭を抱えたくなりました。その事件直後に東京から福山へ新幹線で向かったため、現場検証をしているのを東京駅で見かけました。この状況下に新幹線で向かうことは果たして安全なのか、と不安がよぎったのを覚えています。 そして今回、凶器を持ち込んだ無差別殺傷という筆舌しがたい事件。数年前に、北陸の特急で起きた女性車掌への暴行事件など、公にはなっていない事件…電車内で起きる言い合いのような類も含めると、もっと多く起きているのかもしれませんが、利用者としてはどうしたら危険を回避できるのか考えずにはいられません。 ![]() もしその現場に遭遇してしまったら、どうしたらよいのか。 一部報道によると、東海道新幹線は座席の座面のシートが取り外しやすくなっているそうで、今回もそれで身を守るようにと係員が客に手渡した、という事例があるそうです。 日本経済新聞のweb記事(6/13付)※外部サイトへ移動します これは知らなかった、と思いましたが… システマを始めて思うのは、やはり現場での対応方法よりも「その場にいないこと」が一番かなということです。 遭遇したらの話なんだから、その場にいないはないでしょう、というところですが、やはり避けられるに越したことはありません。 これは普通電車の中の話ですが、私は2度、「電車の中でマーライオン」に遭遇したことがあり、これは人生で3本指に入る最悪な出来事でした。 1度目は、システマを始める前、真冬の終電でぎゅうぎゅうぎゅうづめ、扉が開く度にポンと飛び出すほど詰め込まれた電車の中、真後ろからで、避けることもできず、半身とカバンが凄惨な状態になりました。犯人は泥酔した大学生風情で、誰かが糾弾していましたが、タクシー代やクリーニング代も持っていなそうだったため、私はそのまま乗り続けて帰ることを選び、冷たい視線にさらされながら地元駅まで向かいました。別の車両に移ったため余計にそうなったのですが、出来事を知っていたのか、心優しい人がウェットティッシュを差し出してくれたのが今も忘れられません。コートとバッグがダメになり、ポケットに入っていたMP3も使い物にならなくなってしまいました。当時はショックも大きく、ケガはなくとも後味最悪な経験でした。 システマを始める前のことで、かつ終電。お金もなく、嫌な感じがする電車に乗らないという選択肢は、当時の私の中にはありませんでした。むしろ、何が何でもこの電車で帰らなければ、と意地になっていました。 2度目は、システマを始めた後、別の路線でやはり終電に近い時間のことでした。混んでいる車内、同じくらいの身長の若い女性が、立ったまま居眠りをしかけていて、吊り革につかまりながら私の肩にもたれかかるようにこつんとぶつかってきました。自分に似たような雰囲気なので抵抗もなかったのですが、ふと呼吸に違和感を感じ、「混んでいるけれどなんとか離れられないか」と振り向いたところ、ちょうど一歩真後ろとその横の空間が少し空いていたので、移動することに。スッスッと2歩動いた直後、彼女はマーライオンと化し、走行中の車内は騒然としました。足元のショートブーツにピッとはねた汚れに、息をのみました。間一髪…。 都心発で関東近郊へ向かう金曜の終電、または平日のそれに近い時間となると、酔っている人(自分の状況がわからなくなりつつある)が1人もいない車両は皆無では、と思っていましたが、この出来事とシステマのクラスで習ったことを踏まえ、あきらめずに探し続けたことがあります。 探すというのは、単に車両を変え続けることです。 駅で停まる度に乗降を繰り返した結果、6、7両目で、実に静かで1人も泥酔していない車両がありました。乗り込んだ時の雰囲気、空気がまったく他と違い、昼間の車内のようだったのです。ムッとした熱気や自分をコントロールできなくなっている人は1人もいませんでした。 朝の混雑時、乗り換える余裕なんてない時でも、客同士のいざこざがすぐ近くで始まったりします。そんな時に、どんな行動をとればよいのでしょうか。我慢して乗り続けるのか、遅刻覚悟で降りてしまうか。 本当は、「そのリスクのある時間」に乗ることを避けることがベストですが…行動が分かれるところです。 武術仲間にマーライオンの話をした時、「その車両に乗り合わせた時点でアウトでしょ」と言われてしまいました。避けられただけ上出来、と思っていましたが、そういわれればそうですね(笑) さて、これは普通の電車の話で、今回、新幹線で起きた事の難しさは、「着席型の座席」にあるような気もします。 少し視点がずれているかもしれませんが、新幹線は、乗車券が高額で、ある程度の重量の荷物の持ち込み、さらにはお弁当でも食べようと飲食物も持ち、身心ともに諸々手一杯になって乗車する人が多くみられます。私もそうです。 指定席の時は、自分の席にたどり着くと、無事乗れたことにほっとし、荷物を収納し、座って一息つくことで腰を落ち着けます。自由席で座れたらなおのこと、座れることがありがたく、少しでも混んでいたら気軽に席を変えようとは思いません。定期的に乗務員も巡回しているので、なんとなく監視されているような気がして、危険もそこまで感じません。常に周囲を警戒し続けろといわれても、1時間以上乗車している間、気張っているのは無理というものです。 でも、旅の楽しみ… ![]() ![]() そんな状況でできることといえば、乗ってからまず、周囲の様子をみることでしょうか。 1人で乗る時と、家族や友人、知人などと2人以上の時では状況が違いますが、新幹線が動き出してすぐ、テーブルをセットして飲み物や食べ物、持ち込んだ本を広げると、走行中の車内では「こぼさないように」とか「隣に肘がぶつからないように」などと気を付けているうちに、自分のテリトリーで過ごすことに没頭してしまいます。 が、プロでもない限り、危険察知の判断基準なんてあってないんじゃないかと、正直思います。 仮に基準があっても、必ずしもあてはまらないかもしれません。 今の自分がみて「?」と感じる人はいないか。 もし気になる人がいたら、その対象との距離、位置関係はどうか。 自席から通路までの距離はどうか。 その人および自分の周囲にはどんな人がいて、どんな様子か。 隣の人のトランクが邪魔していざという時出られない、という状況もあるかもしれません。人災でなくても、乗り物に乗っている以上、事故が起きる可能性もあります。私はいけふくと2回、線路故障に遭遇し、深夜まで長時間閉じ込められたことがあります。一度、飲み物をきらしそうになり、車内販売も停止してしまって焦ったことがありました。 停まるはずのない駅で数時間… ![]() さておき、多くの人が着席と同時に、PCを広げて仕事の処理、飲みたかったビール、食事、家族への到着時刻連絡、気になっていたネットの動画の再生、連結へ移動して電話で商談を始める、友達と席を向い合せに動かして宴会…など、ごくごく一般的な行動にうつります。焼身自殺事件後、着席後に周囲を気にはしますが、異常を感じたことはありません。 でも、もし、「変だな」でなくても、「なんか嫌だな」と思ったら。 自分のいる場所が狭ければ狭いほど。 そしてすぐにそこから遠く離れられない時。 システマでいうなら、「Moving」でしょうか。 動くことをいとわず、荷物を置いたままにして、貴重品だけ持って一時的に席を立ってみてはどうでしょうか。私は一度乗ると、必ず連結から外を眺めたり、お手洗いに行ったりします。そのため、1人の時は通路側の席をとります。 もちろん、連結やお手洗い周辺には大体人がいるので、危険がないかは様子を見ています。 「乗務員へ通報する」というのは、よほどはっきりしていないとしづらいもの。 報道にもありましたが、乗務員は取り押さえのプロでもありません。 しかし、何が起きるかわからない場所に、痩せ我慢してとどまっていることほど危険はありません。 「曖昧な感覚に従って」でも「動く」ことに馴れるのは、なかなか時間がかかりますが、誰の力を借りなくてもできますし、女性1人でも大丈夫です。むしろ気軽に、前向きに動けたら良いですよね。そして、同じようなことを思っている人が、意外と身近にいるかもしれません。 これは何も、特定の場所についてだけではなく、職場や学校、家庭や友人、知人の関係にもいえる気がします…。 「Keep moving」が、その身の安全と、新しい道を切り開くことへの道になるかもしれません。 |
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